手打ちそば屋は眠れない

わざわざ食べに行きたい「ハイウェイそば」って、本当なの?

私は車で遠くに行くことが殆ど無いので、
全くこういう変化に気が付かなかったが、
近頃は、高速道路のサービスエリアが、
ずいぶんと変わってきているらしい。

ある、そばの雑誌に、
サービスエリアのそば店が紹介されていて、
なるほど、今は、このように変わってきているのだな、
と、今更ながら情報に取り残されていることを実感した。

以前であれば、どこのサービスエリアへ寄っても、
似通っている建物と、大手外食店による、
ごく当たり前のレストランがあっただけだった。
ところが、近頃は、テーマパーク並みに、
建物や施設に趣向をこらした場所もあるという。

高速道路内ということで、
トイレや休憩、簡単な飲み物や食事の提供という、
ごく実用的な目的ばかりではなくなってきているらしい。
地元の名物を売るのはもちろんだけれど、
話題になるスイーツや、
行列のできる食べ物屋さんもあったりするそうだ。

そして、本格的な手打ちそばの店も、
出来ているとか。

長い距離を、車で移動する時に、
ちょっと、そばで腹を満たすのは、
すごく合理的だと思う。
そばならば、腹にたまることもなく、
食後の眠気も起こりにくい。

私も、昔は、車で旅をするときには、
よく、そば屋に立ち寄った。
でも、サービスエリアにあるのは、
駅にある立ち食いそば屋と同じようなもので、
気軽に腹を満たす程度のものだった。

それが、今では、
かなり、気の利いたそばが食べられるらしい。
サービスエリアのような人がたくさん集まるところでは、
「手打ち」で対応するのは大変だろうと思うが、
やはり、こだわりを持つ、他の食べ物と合わせたりして、
魅力を高めているのだろう。

ただの、機能的なサービスエリアから、
楽しめる場所へと変わりつつあるのだね。
どちらにしろ、
質のいいそばが食べられる機会が増えることはいいことだ。
たまには、旅をしないとね。
時代に取り残されるかな、、、。

でも、サービスエリアには、
ほら、私の苦手なあれ、、、がないからな。
苦手だけれど、ないと、さびしいんだね。

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長野は急に冬になった。

長野は、急に冬に入ってしまった。

それほどの寒さではないのだろうが、
今まで、暖かい日が続いていたので、
そんな気がするのだ。
昨日の朝、起きてみると、
雪が積もっている。
天気予報では降ると言っていたが、
まさか、本当に降るとは思わなかった、、、

、、て、人の話を信じない私の性格。

これでは、せっかくの定休日なのに、
畑の大根もネギも、掘りに行けないのだ。

今朝も、氷点下の気温の中を、
自転車をこいで店まで来た。
古い手袋をしてきたので、
指先が痛むほどだ。

ついさっきまで、
暑い暑いと言っていたのに、
いつの間にかこんな季節になってしまった。
時間の流れが早いのは、
年を取ってきた証拠だろうなあ。

でも、
この寒さも悪いことばかりではない。

畑のネギは、
寒さに当たると、ぐっと甘みを増してくる。
薬味に使う辛味大根も、
辛さに甘みが加わり、
いわゆる「辛もっこり」とした味になる。
漬物にする野沢菜は、
何度か霜に当たると「のり」が出ると言われている。

植物は、それなりに、寒さに対応しているのだね。

すでに刈り取られて、保存されているソバの実も、
「新そば」などと呼ばれて、
チヤホヤされている時期をすぎると、
じつにしっとりとした甘みを感じさせるようになる。

これからの寒い季節が、
本当にそばの美味しい季節。

やはり、冷たいせいろでいただくのが一番。
と言っていたら、
お客様から反論が。
「温かいそばだって、甘く感じられるよ。」
とのこと。

とにかく、冬が、
そばの美味しい季節。
この違い、分かるかなあ。

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そばは煮るつもりで茹でる!と言われても。

日本語というのは難しいもので、
同じような動作なのに、
その時の状況で、言い方が変わることがある。

同じように鍋、または釜で調理するのに、
「茹(ゆ)でる」「煮る」「炊(た)く」「炊(かし)ぐ」などの言葉がある。
例えば
ゆで卵は「茹で」て作り、それを味をつけて「煮る」と煮玉子になる。

茹でるのは、
そば、うどん、ラーメン、カニ、落花生、枝豆、タコなどで、
沸騰した湯に入れて、
そのまま取り出してくるもののようだ。

煮るといえば、味付けした汁を使って、
味を染み込ませる料理のイメージがある。
おでんを煮たり、牛肉を甘辛く煮たり、豆をコトコトと煮たりする。

炊くといえば米のことだろう。
西日本では、大根や豆なども炊くというそうだが。

なんで、そんな言葉が気になったかといえば、
ある老舗のご主人の言葉に、
「そばは、煮るつもりて茹でるといい。」
というのがあったからだ。

なるほどねえ。
煮るように茹でる、、、、、。
未熟な私には、
よく分かりません。

そばの釜は、
底が丸くなっていて、
真ん中ではなく、
少し手前にずれて火を当てるようになっている。
だから、釜の中で、
湯が手前から向こうへと回るようになっている。

その中にそばを入れて茹でるので、
そばが湯の中をグルっと回って、
全体が同じように茹で上がるのだね。

家庭用の鍋のように、
底の平らなものでは、
湯が回らないので、
少しずつしか茹でられないのだ。

茹でるときは、もちろん、強火。
ファンで風を送る、強力なバーナーが、
すぐに湯を沸き立たせてくれる。
ところが、そばを入れた湯を、
沸き立ったままにしておくと、
そばが上に浮きあがったままで、
湯の中を回らなくなってしまう。

そこで、少し火をゆるめ、
そばが湯の中を泳ぐようにしてやる。
そして、頃合いを見計らって、
すくい上げて水で冷やすのだ。

そばを茹でる時間は、
タイマーで決まっているのかと言われれば、
そうとも言えない。
何しろ、
未だにそば打ちが下手くそな私は、
そばが、微妙に太かったり、細かったりするのだ。
だから、そばを湯に入れるとき、
その太さ加減で、茹で時間を調整しなければいけない。

そればかりではない。
一人前を茹でるのと、
五人前を茹でるのとでは、
茹で時間が違うのだ。
さらに、
茹でているうちに、釜の湯が濃くなってしまうので、
茹だりにくくなってしまう。

ということで、
茹で時間は、いつも、適当な、
いや、繊細な調整が必要となってくる。
それに火加減もね。

ただ、
沸騰した湯に、
そばを放り込めばいいというものでは、
決してないのだ。
だから、
野菜や魚を煮るように、
大切に「煮る」という感覚も必要なのかな。

と、
老舗のご主人の言葉を、
私は解釈しているのだが、、、。
さて。

 

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新蕎麦で俳句なんぞ

新そばの季節ですね。
で、新そばにまつわる俳句を紹介。

山国や新蕎麦を切る音疾し
      井上 雪

新そばは、打っていても、滑らかさが違う。
確かに、切るときも、
トントンと気持ちよく切れる気がするね。
このそばを切る音が、
この時期の信州らしいと、
ラジオ局が、音だけ採りに来たりして。


新蕎麦の袋を縫いぬ赤き糸
      長谷川かな女

そば粉は、湿気を調整するために、
紙の袋に入れられ、店に届く。
その袋の口を閉じてあるのが、
赤と白の糸なのだ。
しっかりと縫い込まれているが、
赤い糸を引くと、
サッと、その縫い目がほどけるようになっている。

別に、新そばでもなくとも、
そのように縫った紙袋が届くのだが、
今日から新そばの粉だと思うと、
その赤い糸が、何故か、特別のものに思われるのだね。


新蕎麦やむぐらの宿の根来椀
         蕪村

ちょっと難解な蕪村の句。
むぐらの宿とは、草の生い茂った、
荒れ果てた家のこと。
根来椀といえば、
黒塗りに、朱のウルシを重ねた実用的な器。
さて、そこにどうして新そばなのか。
よく解らないけれど、
なんだか気になる一句。


そば時や月の信濃の善光寺
        一茶

こちらは有名な句。
信州のいいとこ取りというところ。

ということで、
とにかく新蕎麦をお楽しみいただければ。

 

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