手打ちそば屋は眠れない

宅配のシステムがあるから送れる年越しそば。

 
年末年始の営業の山が終わって、
骨身にしみるような寒波と一緒に、
静かさが店にやってきた。
昨年も、多くの方に、
年越しそばのご注文をいただき、
大変ありがたいことだと思っている。
年末の30日が、一番のそば打ちのピークとなる。

何しろ、宅配便の受付締め切り時間までに、
頼まれた数量のそばを打ち切らなければならないのだ。
打つペースを保ちながら、淡々と10回余りのそば打ちをこなした。

途中で、新聞社の取材が入ったりして。
年末の風物誌ということなんだね。
写真がうまく撮れずに、何回も撮り直しに来たりして、
記者さんも大変だ。

 



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その打ったそばを、
間違いのないように、箱詰めする。
これも気を使う仕事だ。
そうして、注文を受けた、50個ほどのそばを無事に発送した。

 
さて、これからも心配。
大雪でも降ったり、
どこかで事故でもあって渋滞があれば、
翌日の年越しそばに間に合わない。

 
大晦日は、店での持ち帰り用のそばを、
腰の痛みに耐えながら、なんとか打ち切った。
そして、翌日の、元日からの営業の仕込み。
そして、送ったそばが、
無事に着いたかどうかの確認。

 
今は、ネットで、伝票番号を入れれば、
配達状況がわかるのだから、
便利なものだ。
6時を過ぎれば、ほとんどの荷物が配達済みとなっている。

 
おや!午前中配達の予定なのに、
まだ配達されていないとところが一件ある。
しかも、現地の配送センターにも届いていない。
ということで、宅配会社に問い合わせてみた。
調べるとのことで、30分後に返事をいただいたら、
なんと、別の配送センターに送られてしまっているとのこと。
どうやら、その日のうちに届かないらしい。

 
あれ〜、困った。
大晦日に届かなければ、
年越しそばではなく「年越したそば」になってしまう。
なんでも原因は、伝票に書かれた郵便番号が間違っていて、
その番号のところへ行ってしまったとか。
いつもは、住所と郵便番号を照らし合わせるのだが、
忙しさのあまり、それを怠っていたとのことで、平謝り。

 
たまたま、その伝票は、ある知り合いのお客様が、
ご自分で書かれたものだった。
すぐに連絡して、その旨を伝えると、
納得していただいた。
あとで、宅配会社からも、謝罪の電話があったそうだ。
年が明けて、翌日の午前中に届いたのだが、、。

 
これに懲りて、店でも、郵便番号の確認をしてから、
発送した方がよさそうだ。
手間になるけれど、こういうことが起こらないようにしなければね。

 
8時近くになっても、まだ二件が届いていない。
一件は二度ほど行ったが不在とのこと。
こちらはメールをして確認。
ほんの少し留守をしていた時に、
タイミング悪く配達に来たとのこと。
もう一件は、雪深い場所。
前の日の雪で、交通の乱れがあるようだ。
それでも、どちらも、8時過ぎには配達済みとなって、ホッとした。
みなさんに、上手に茹でていただけることを願うだけ。

 
配達の人たちも、
大晦日に遅くまで働かれて、大変なことだと思う。
たくさんの荷物が、こうして、正確に相手に届くというのは、
大勢の人の努力のたまものなのだろうねえ。
いくらコンピューター、インターネットの時代でも、
実際に届けているのは人なのだものね。

こういう仕組みがあるから、
大晦日にそばを送ることができるのだ。

 
ということで、
毎年大騒ぎの年越しそばだけれども、
ちょっとしたトラブルはあったけれど、
他には間違いもなく、無事に済ませることができた。
ご注文をいただいたお客様、
ありがとうございました。


 
 

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