2020年03月

醤油は二年かけて作られる。

先日は、パートさんの研修会ということで、
須坂にある老舗の味噌屋「塩屋」さんの、
蔵を見学させていただいた。

 

ここは江戸時代中期の創業で、
海のない信州で、塩の扱いをしていたのが、
そのまま屋号になったそうだ。
途中から、味噌、醤油の醸造を始め、
今では味噌の製造が主流となっているようだ。

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江戸時代から明治にかけて建てられた蔵が並び、
国の登録文化財に指定されている。

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まず、案内されたのが、味噌蔵。

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私の背よりも、大きな木の桶が並んでいる。
この時期は醸造していないが、
春に仕込んで、夏に寝かし、
秋になって出荷するそうだ。
この木の桶は、今では、
作っているところがなく、
タガを修理するにも苦労しているという。

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味噌を作るには、
塩の力というものが大切だとか。
最初は味噌玉にして、
様々な菌を繁殖させ、
その後塩を加えて、有用な菌だけを繁殖させ、
熟成させるのだそうだ。

 

場所によって、様々な菌が住みついていて、
昔、それぞれの家で作っていた頃は、
同じように作っても、微妙に味が違った。
それが「手前味噌」の謂れなのだそうだ。

 

今は、温度管理された工場で、
短期間に作られる味噌がほとんどだが、
ここでは、昔ながらの木の桶で、
時間を掛けて作られているのだね。

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きれいに手入れされた中庭を通って、
今度は醤油蔵へ。
ここでは、醤油を絞る機械を見ることができる。

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知らなかったけれど、
日本酒と同じように、
醤油も、もろみを袋に入れて重ね、
上から圧をかけて絞るのだね。

 

明治の頃から使っているという、
その機械の古めかしいこと。
長く伸びた木の棒を使って、
ギリギリと絞っていくのだそうだ。

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醤油作りには、いくつかの工程があり、
味噌造りよりも手間がかかるそうだ。
天然の素材だけで作っているので、
熟成して、製品にするまで、
二年もかかるという。
なかなか、醤油らしい色が出ないとか。

 

そんなに時間を掛けて作られているとは、
私も知らなかった。

 

最後に、蔵のなかで、味噌汁と甘酒をいただいた。
発酵という、微生物の不思議を感じながら、
味わう本物の味だ。

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醤油というものも、
こうやって、昔ながらの方法で作られているのだね。
かんだたのそば汁に使う醤油を選んだとき、
取り寄せた数種類の中から、
迷わずにコレに決めたのは、
やっぱり正しかったのかな。
値段は一番高かったけれどね。

 

ということで、
なかなか見ることのできない、
味噌や醤油の製造現場を見せてもらった。
昔ながらのじっくりとした造りをしていることと、
我々のために時間を割いてくれた塩屋さんに、
深く感謝です。

 

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スペインのレストランの注文の仕方を知っていれば、、。

スペインの食べ物事情には、
日本と違った、様々な特徴があるようだ。
それもそうだろう。
遠い外国に来たのだから、
どこへ行っても、
日本にもあるフードチェン店ばかりでは、
ガッカリしてしまう。

 

私が半年過ごした30年前と違って、
確かに、そのような店もスペインで増えているようだ。
観光客の多いところでは、
写真でわかりやすいように、
ワンプレートの料理や、
ハンバーガー、サンドイッチなどのメニューを置くところも多い。

 

でもね、
ちょっと路地を入れば、
落ち着いたレストランや、
庶民的なバルなどがあって、
昼時になると(午後二時ごろだけれど)、
店先に定食の内容を書いた、
ボードが出されるのが普通だ。

 

人気のある店は、
あれよあれよという間に席が埋まっていき、
カマレロ(ボーイ)が、忙しげ動き回っている。
スペイン語のわからない人は、
メニューの前で、戸惑っているうちに、
他の人たちの食事は終わっていたりする。

 

でも、
昼の定食(メヌー・デル・ディア)の頼み方を知っていれば、
たとえスペイン語がわからなくとも、
どんな料理が出てくるのかわからなくとも、
とにかく、スペイン人が食べている食事にありつけるのだ。

 

たとえば、
マドリードで借りたアパートの近くにあったこの店。
すでに、三時近くになっていたので、
覗いた何軒かのレストランはどこも満席。
そこで、いかにも地元の人しか入らないような、
この店に。

 

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ほら、
入り口のボードに、
その日のメニューが書いてあるでしょ。

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注意すべきは、
一番目の料理と、二番目の料理が分けて書いてある事。
スペインのレストランの食事は、
一人が二皿を頼むことができるようになっている。
バルセロナなどの、一部の地域では、
三皿頼めるところもあるようだが。

 

一皿目は、野菜とか、豆の料理、
スープ、卵料理など。
二皿目は、肉や魚のボリュームのある料理となる。
だから、一皿目から、指差しでも構わないから、
一品を選び、
そして、二皿目を選ぶ。

 

そして料理を選び終わると、
「パラ・べベール」(飲み物は?)
と聞かれる。
私の場合はたいてい「ビーノ・ティント」(赤ワイン)。
ビールであれば「セルベッサ」。
水であれば「アグア・ミネラル」。
ブドウジュースであれば「モスト」。
などと注文する。

 

ここで遠慮をしてはいけない。
何しろ、定食の料金の中に、
この飲み物の料金が含まれているのだ。

 

この店では、
とても太ったセニョーラが、
笑顔で注文をとりに来てくれた。

 

注文が終わると、
まず、飲み物がでてくる。
ワインを頼むと、ボトルごとどんと置かれたりするが、
これは、全部飲むことはない。
あくまでも、食事の一部。
自分のグラスに注いでほどほどに。

 

そこで、この店での一品目はこちら。
インゲンとハム。
同行の友人ご夫婦には、
うっすら塩味の野菜のスープ。

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パンは一切れづつ添えられている。

 

これを食べ終わった頃、
二皿目が出てくる。
こちらはチキンハンバーグの、
ほうれん草ソース。
私は、小さなタラの唐揚げ。

 

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これだけ食べれば、結構なボリュームがある。
そして、食べ終わった頃、
セニョーラが「ポストレ?」と聞きにくる。
ポストレとはデザートのこと。
フラン(プリン)とかエラード(アイスクリーム)などがあるらしいが、
すでにお腹いっぱいなので、
コーヒーにする。

 

これで定食は終わりとなる。

 

つまりスペインの定食、
「メヌー・デル・ディア」の中には、
一皿目の野菜料理、
二皿目の肉か魚の料理、
ワインなどの飲み物、
パン、
デザート、またはコーヒー、
が含まれているのだ。
それで、この値段。

10.5ユーロ。

日本円にして1300円ぐらいかな。

もっとも、ここはごく庶民的な店。
観光客の多い地区でも、
20ユーロ前後で用意されていることが多い。
もちろん、高級店に行けば40~50ユーロもする。
まあ、懐の都合で選んで貰えばいい。

ただ、基本的な注文の仕方は、
どこも同じ。

料理の内容というものは、
その店によって違うし、
例え多少のスペイン語がわかったとしても、
出てくるまでは、どんな皿が出てくるのか、
わからないものなのだ。

 

そんなロシアンルーレットみたいな、
楽しみ方をしてみた、
スペインの旅だった。