手打ちそば屋は眠れない

そばとウクライナ紛争との影響は。

全世界での生産量は290万トン。

これはトウモロコシの11億5千万トン、
小麦の7億6千万トン、
米の4億8千万トン
に比べれば全く微々たるものだ。

統計の出ている2018年の数値では、
生産量の順位は、
1、中国」 113万5千トン
2、ロシア 93万7千トン
3、フランス 18万8千トン
4、ウクライナ 13万7千トン
  ・
  ・
  ・
10、日本  2万9千トン

これ、もちろん、そばの生産量の話。
この年は、たまたま中国がトップになったが、
その前の年まで、
ずっとトップにいたのは、ロシアの方だ。

日本の国内でのそばの需要は、
約13万トンと言われている。
国産は3万トン弱しかないので、
残りの10万トンは輸入されている。
そのほとんどが中国からだが、
ロシアからも年に1万トンを買っている。

ロシアはそばの生産量が多いのだから、
もっと取引があっていいはずなのだが、
そうもいかないようだ。
ロシアでは、主に、
そばの実のお粥(カーシャというらしい)や、
パンケーキにして食べられているという。
ところが、同じそばでも、
なかなか、日本の蕎麦に向くものが、
少ないそうだ。

それでも商社の方々が苦労して、
ロシアからの輸入が始まったのが、
10年ほど前のこと。
あまり質が評価されないので、
主に加工用として使われているという。

ロシアとウクライナを巡る、
不幸な出来事の勃発によって、
日本のそばの事情に影響するのではないか、
ということを心配される方も、
いらっしゃるようだ。

でも、数字で見れば、
このような状態なので、
普通に店で食べられるそばには、
ほとんど影響がないと、
考えていいのではないかな。

むしろ、問題なのは、
ここ一、二年で外国産、
特に中国産の輸入蕎麦粉の価格が、
急上昇しているのことだ。

これは、その国の事情もあるが、
世界的に、輸送コストが上昇しているという理由がある。
そう、コンテナ不足や、
燃料費の高騰などだ。

今度の紛争が、
さらに、そういう事情に拍車をかける、
という可能性はある。
だから、日本のそば業界も、
恐れをなしているところらしい。

今まで、安価な外国産の蕎麦粉を使っていた、
値段で勝負していたような店は、
値上げ対応を迫られるかもしれないね。

今まで、高くとも、
国産の蕎麦粉を使い続けていた私としても、
黙ってはいられない。
つい、ざまを見ろ!
と言いたいのだが、
そんなことは口が裂けても言ってはいけない。
(ここ、消しておいてください)

今の日本は、多くの食品を、
外国の産物に頼っている。
だから、何か変事があったときには、
大きな影響を受ける可能性があるのだ。

日本の国の中では、
まだまだ、たくさんの食物を作る余力があるのに、
どうして、
遠い外国で作られたものの方が、
安く手に入るのだろう、、、。

そういうことを、
根本的に、考えなければね。
いや、考えるだけでなく、
改善していかなければ、、、。

みなさん、
国産のそばを食べましょうね。

 

 

 

 

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